お子さんがひらがなを読めるようになってくると、今度は書き方を教えたくなりますよね。
周りの子が自分の名前を書いている所を見ると焦って教えたくなってしまいますが、ひらがなの書き方を教えるときにも、コツとタイミングがあります。
今回は、幼児にひらがなの書き方を教える際の、教え方と教える時期について、元・小学校教諭の視点からお伝えしていきます。
目次
幼児にひらがなの書き方を教えたい!
ひらがなが読めるようになっているお子さんでも、書くことができないことはよくあります。小学校入学までに書けなくても、焦ることは全くありません。
小学校に入学すると、椅子に座る姿勢や机との距離を学ぶところから、文字を書く学習が始まります。次に正しい鉛筆の持ち方を習い、そして実際に文字を書いていきます。
この段階で正しい持ち方や書き順をしっかり覚えて書けるようになれば、バランスのとれた綺麗な字が書けるようになります。
ただ、先生は、間違った持ち方をしていることに気が付いた時には声をかけることができても、一人ひとりの鉛筆の持ち方を四六時中見ている訳にはいきません。
書き順についても、習った通りにきちんと書けているかというのは文字のバランスを見ればある程度わかりますが、提出物に書かれた文字の書き順が違っていてもわからないことが多いです。
よって、ひらがなが書けなくても構わないのですが、鉛筆の持ち方やひらがなの書き順は、入学前に付きっきりで教えておくのがベストです。
実は鉛筆の持ち方は、一度クセがついてしまうと改善するのに時間がかかって(もしくは間違えたままになって)しまいます。
小学校に入学して正しい持ち方を教えてもらってから、家でも注意して見てあげればいいかなと思いがちですが、幼稚園や保育園でお絵かきをする時に、色鉛筆やクーピーを使うこともありますよね。
そこで持ち方のクセがついてしまうと、直すのが大変。だから、おうちで正しい持ち方を教えるのがとても大切なんです。
そしてひらがなの書き順についても、正しい書き順で書くことがとても大切。
間違えたまま覚えてしまうと、書きづらく、字のバランスが整いません。
小学校で習い始めてからでも十分間に合うのですが、持ち方や書き順のクセがついてしまうと直すのが大変です。
お子さんの小学校生活の始まりを応援するために、幼児期におうちでできることに取り組んでいきましょう。
ひらがなの書き方、教え方は?

ひらがなの書き方を教える際には、段階を踏んで着実に力をつけてから進めていく必要があります。
- 鉛筆の持ち方を教える
- 直線や曲線の練習
- 簡単な文字の練習
- 書き順を定着させる
一つのことができるようになったら、次のステップへと進んでいきましょう。
鉛筆の持ち方を教える
まずは、正しい鉛筆の持ち方を教えてあげましょう。
- 親指と人さし指で鉛筆を挟むように持ち、中指で支える。
- 削り際の上を持つ。
- 鉛筆を自分の方に60度ぐらい傾ける。
幼児に適した鉛筆の選び方については、「幼児向け鉛筆の選び方は?おすすめ3選も紹介」で詳しく書いています。
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直線や曲線の練習
いきなり文字を書く練習はできません。始めは、左から右に線を引くだけでも難しいのです。
まずは、簡単な直線や曲線の練習から始めて、スモールステップ(少しずつ段階を踏むこと)で進めていきましょう。
白い紙にただ線を書いているだけでは、親子共に飽きてしまいますよね。楽しく鉛筆の練習をするなら、おすすめは、くもんや学研から販売されている「はじめてのおけいこ」です。
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簡単な文字の練習
左右上下あらゆる方向から直線や曲線を書くことができるようになったら、画数の少ない文字から練習していきます。「つ」「し」「く」などが書きやすいです。
最初に教えた鉛筆の持ち方がきちんとできているか、お子さんの近くで確認しながら進めていきましょう。
書き順を定着させる
実際に鉛筆で文字を書かなくても、書き順を学ぶ方法には、様々なツールがあります。
- 動画
- アプリ
- おもちゃ
- 絵本
- ひらがな表
一つずつ詳しく紹介していきます。
動画
Youtubeで検索すると、ひらがなの学習ができる動画はたくさんあります。文字が書き順通りに順番に表示されていくので、書き順を覚えるにはピッタリのツールです。
動画に夢中になってスマホやタブレットの使い過ぎにならないよう、ルールと時間を決めるようにしてあげてくださいね。

アプリ
ひらがな学習のアプリもおすすめです。見るだけでなく実際に手を動かしながら、学習できるのが強みです。タッチペンを用意しておけば、書き順だけでなく鉛筆の持ち方の練習も行うことができます。
こちらも動画同様、ルールと時間を決めて使用するようにしましょう。

おもちゃ
おもちゃの利点は、好きなキャラクターと一緒に楽しく学習できること。大好きなキャラクターと一緒なら、ひらがな学習が楽しくなりますよね。
水で書いて何度も消せるひらがな練習シートや、書き順の練習ができる子供用タブレットなどがあります。

絵本
ひらがなの絵本の中には、書き順までしっかりと書かれてあるものもあります。お子さんの興味に合わせて選んでみましょう。

ちなみに、鉄道好きなお子さんにおすすめしたいのが「あいうえお でんしゃ じてん」です。
大好きな線路でひらがなが書かれてあり、書き始めの位置に車両が、書き終わりの位置には車止めが描かれています。
書き始めの位置や、画の終わりがとてもわかりやすくなっています。
ひらがな表
ひらがな表は、読み方や単語だけでなく、書き順が詳しく載っているものもあります。既にひらがなが読めるようになっている場合は、ひらがなが大きく、書き順が書いてあるものを選ぶといいでしょう。
鉛筆を使って紙に書かなくても、ひらがな表を目で見たり、指でなぞったりすることで書き順を身につけることができます。
書き順がわからなくなったとき、すぐに確認できる環境を作っておくことで、正しい書き順を身につけることができますよ。

絵本と同じイラストを使ったひらがな表も紹介しているので、絵本とひらがな表の相乗効果でひらがなの理解が早まります。
いつから教えるのがベスト?
文字を書くという行為を細分化すると、
- 正しい姿勢で座る
- 鉛筆を正しく持つ
- 鉛筆を持った手を動かす
- 反対の手で紙を押さえる
という4つの行動に分けることができます。大人にとっては簡単ですが、幼い子供にとって4つを同時に行うことは難しい行為です。
特に、鉛筆を正しく持ち、そのまま手を動かすという行為が難しいのです。まだ指先に上手く力が入らない子は、手を動かしたとたんに持ち方が崩れてしまい、薄くてふにゃふにゃの線しか書くことができません。
ひらがなを書く練習を始める時期に、年齢は関係ありません。
指を動かせるようになり、指先に上手く力が入るようになってきたと感じたら、線を書く練習から始めてみましょう。
まとめ:少しずつ段階を踏みながら、ひらがなを書く準備をしていこう

ひらがなを書くには、少しずつ段階を踏みながら準備を進めていく必要があります。
- 指先の力をつける
- 正しい鉛筆の持ち方を練習する
- 直線や曲線を書けるようにする
ここまでできたら、ひらがなを書く準備は完璧です。鉛筆の持ち方や書き順がきちんと合っているかどうかチェックしながら、練習を進めてみましょう。
小学校の入学前までにひらがなが書けなくても、入学してしばらくは、手厚いひらがな指導が待っているので大丈夫です。しかし、親子共々、入学してからの負担を減らしたいと思ったら、鉛筆の持ち方とひらがなの書き順だけは練習しておくのがおすすめです。
ひらがなの書き順は、実際に鉛筆を使って書く以外にも、動画やアプリ、本やおもちゃなどで学ぶことができます。
時間やツールを上手に利用して、今のお子さんの力に合わせて着実に、ひらがな学習を進めていきましょう。
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